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2007年にコンサルタント内野が転職支援した
㈱ビーボ代表取締役の武川克己氏 34歳
株式会社ビーボ代表取締役の武川克己氏 34歳 1984年京都府生まれ。
大阪経済大学在学中、立ち上げ間もないベンチャー企業に参画。 卒業後も約1年間経営に携わった後、同社をクローズして上京。 デジタルマーケティング会社でネットを使った事業企画・プロモーションなどに従事後、 2010年、株式会社ビーボを設立。
EC・通販事業をを開始して3年で、ベルタ酵素をはじめとする月商1億円以上のヒット商品を4アイテムつくり上げるなど、業界での知名度も高い。 現在はスマホアプリ事業・メディア事業・コンサルティング事業など、多角的な事業展開を行っており、さらなる新規事業も開発中。 台湾支社・フィリピン支社などのグローバル展開も加速している。
これまでのキャリアをどんな考えをもって学生時代を歩んできたか教えてください。
高校は野球しかやってきてないですね。3歳くらいから父親にやらされていて、高校もずっと野球をしてました。野球選手にならなきゃいけない、くらいの家庭で育ってきました。大学も野球の推薦で入ったんですけど、野球はもうやりたくないと思っていて、野球大嫌いだったんですよ(笑)1週間くらい練習行って、やめちゃいました。でも、その野球の経験が今活きていることもあります。社会人生活や、会社運営をしている上でどんなことが起きたとしても、あの高校野球の時よりもしんどいことはないと今でもあえて自分に思い聞かせています。あの時ほど大変じゃないし、あの時のことを考えたら、今なんとかなるだろうと。
大学で野球をやめた後は、反動で遊びまくりましたね。2年間くらい遊んで、でも大学生の遊びなんてしれてました。ただ、読書が好きで、本はずっと読んでました。その読書の中で出会ったのが、司馬遼太郎の「竜馬がゆく」でした。「竜馬がゆく」を読んで、自分何やってるんだろうって思ったんです。幕末の志士たちは、自分の人生を使って何するかを考えていて、いつ殺されてもわからない状況の中、ことをなせば死んでもいいと思っていて生きている。自分の命をかけて、日本をつくろうとしている人たちの物語をみて、自分は何をやっているんだろうって思ったんです。
当時、起業ブームで、テレビで起業家たちをみた時、幕末の志士たちとかぶったんです。今をとにかく生きている。何かをつくろうとしている。自分の人生をかけて、ことをなそうとしている。幕末のときは志士たちだけど、今の時代は起業家たちだと姿が重なりました。自分も会社つくろうと思いました。それが大学2年生の終わりでした。
何をしたらいいかわからなかったので、検索をして経営者があつまる交流会やセミナーに行きました。そこで出会った人と大学のときに会社つくって、卒業して1年くらいはその会社一緒にやって、そのあとクローズして上京してきました。その会社をクローズした理由も、学生起業家としていろんなところで話をさせてもらっていたのですが、私は大阪にいたのですが、東京の学生起業家と比べられてて、東京の起業家のほうが稼いでいてこれは大阪じゃないほうがいいな、東京に行きたいと思いました。今だと関係ないと分かっているんですが、、、
上京して1か月くらいはふらふらしていました。そのときに扱う金額は大きいほうがいいなと思って、富裕層向けの不動産会社に入りました。内野さんに相談させてもらったのは、不動産会社でで1年くらいやった時ですかね。内野さんから紹介された会社では、転職サイトをやっていたので、WEBに関われたらいいなと思っていました。また、学生の時から常に目の前のことに120%自分の力を使おうと決めていたので、入社後成果は出ていました。
後先考えてどうこうや自分のキャリアよりも、常に120%の力と120%の成果を出す。それってめちゃくちゃ大事だと今でも思っていて、ビーボのクレドになっています。
これまでのキャリアを社会人になってから、どんな考えをもって歩んできたか教えてください。
「常に120%」ということと、「神は細部に宿る」というのはずっとこだわっています。細かいこだわりの積み重ねが他社との差別化につながっていると思っています。サラリーマンとして働いているときからそれは常に大切にしています。今8期目を迎え、前期の売上は83億。業績が伸びた理由を聞かれますが、いろいろやってきてるんで正直よくわからないです。思いつく限りのことを常にやっている感じです。悪かったものはやっていない、よかったものは続けている、常に120%、スピーディーにやりきるというのを繰り返しています。
あと、ミッションを変えました。何のために事業をしているのかを再度考えたというのはありますね。社内の声を聴いたら、クレームが嫌だ、やってられないという話になりました。「武川さん、お客さんのこと知らないでしょ」って言われたんです。お客さんがどれだけ悩んでて、なんでこの商品買ったのかとか、全然知らないでしょ、お客さん全然見てないでしょっと。
話をしている中で、「あれ?自分たち何のために仕事してるんだっけ?なんで会社作ったんだっけ?なんでビーボっていう会社で働いているんだっけ?」そういう考えに至り、理念やビジョンにシフトしたタイミングでした。それが3期目の終わりくらいです。こんな分岐点がたくさんあったと思います。自分の営業の仕方の変化もすごくありました。
昔はどう理論武装するか、知識武装するかに命かけてました。業界の知識、相手の情報。知識勝負だと思っていたのが変わりました。売りつけるではなく、お互いwinwinになるためには、どっちがペコペコするわけでもないし、「お互い楽しくないといけない。どう面白いことが一緒にできるか。その場で一緒に考える。」そういう感覚になりました。営業で、お客さんの反応がイエスかノーになってしまっていたんです。100人いたら、100のイエスかノーになってしまう。でもこれっておかしいなと思いました。事業やビジネスってイエスかノーじゃない。昔はイエスですかノーですかっていうコミュニケーションでした。これって最悪だなと気づくことができました。いつどこで縁がつながるかわからないじゃないですか。だから相手を長い目で見るようになったのかもしれないですね。
過去の失敗から得たことってありますか?
これは、サラリーマンの時にはわからなかったことですが、経営者にとって採用って本当大事だと思っています。正直、採用では過去失敗しましたね。採用のエントリー、入社後のオンボーディング、ここの失敗はたくさんあります。忙しいから猫の手も借りたくてスキルだけで採用したり、同じように入社後もすぐに仕事を任せたりしてしまっていました。でも、結局自分たちが目指しているところ、理念に共感してもらわないとビーボではいい成果を出せるわけないんです。会社が目指しているところに向かって、皆がサービスを作ったり仕事しているので、当たり前ですよね。そのあたりのアンマッチを繰り返していました。
採用においては、会社内の理念浸透につきると思いました。具体的には、3年半から4年くらい前から理念浸透の施策をしています。ぶれないものがあるからこそ、新しい人がそこにのってくるわけで、理念の土台がないと、その人がやりたいことやっても成果はあがらない。2年くらい前には、会社の中心人物になるだろうという人を集めてビジョン策定プロジェクトをつくりました。もともと、理念やビジョンはありましたが、当時とメンバーは変わっているので、もう一回ビーボが目指していることや、なぜビーボで働くのかを言語化しようと思いました。そのメンバーが半年かけて、「なりたいに本気」というビジョンを作りました。このビジョンは会社では強いものになっています。だから会社の理念はその会社がやりたいことだけではなく、その会社に根付く根底の考え方なので、転職者の方も理念に共感する会社を選ぶことは大切だと思います。
若手ビジネスマンに向けたメッセージをください
長期的なキャリアよりも、目の前のことに120%の成果を出し続ける。これ以外ないと思っています。その先に何があるかなんて、その先にいかないとわからないわけです。3年後がどうこうとかそこでうだうだするよりも、目の前のことに120%の成果を出すように取り組んだほうが、最終的には自分が望むところにいきつくと思っています。
自分のなりたいところと今向かっている先が違うと思っている人もいると思います。私が新卒の入社式でも必ず言うことがあって、「will can must」ってあるじゃないですか。もちろんwillは大事ですが、willをもっと大きくしたり、より強いものにするためには、canが大きくないとできない。canってできること。できることを増やすためには、mustが大きくならないとcanも大きくならなくて、できることが増えないと自分のやりたいこともできない。このmustの部分を120%どうやるかによって自分の人生やビジネスマンとしての可能性がひろがる。これは真理だと思っています。
また会社のフェーズによって変わると思いますが、弊社では「曖昧な中でも進んでチャレンジする人」は私たちのような会社では必要な要素です。新しいことがチャレンジということでもない。ベンチャーって、答えがない中、あいまいな中を進んでいくので、「それの目的って何ですか?」と聞かれても、いや、わかんないけど、やったら見つかる、そんなこともいっぱいあるわけじゃないですか。ビーボでは、「曖昧力」っていうんですが、あいまいな中でも突き進んでいける力は大切です。。普遍的なものとしては、「変化を自分で作れる人」は変わっていくことができます。仕事内容も事業内容も会社も市場も変わります。変化をつくっていける人、答えがないようなあいまいな中でも自分で変化をつくりだしチャレンジしていける人は今後必要とされるビジネスパーソンの要素だと思います。
当時、内野との転職支援で関わった際に覚えていること、教えてもらえますか?
もちろん前職の社長に出会わせてくれたというのもそうなんですが、可能性を常に見てくれてたことですかね。(内野さんの仕事は)可能性を見つける仕事なんだろうなと思いました。そんなところがいいなと思いました。可能性を見つけてもらってよかった、ありがとうございますと感謝の気持ちです。もともとウェブの経験まったくなかったのに、可能性をみてもらって、信じてもらえたので、先方の社長に交渉してくれた印象があります。