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インセンティブが組織をダメにする

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いつもお世話になっております。
イノセル内野です。

今月から8月1日。
イノセルでは最終の第4Qのスタート日。
昨日はとても嬉しい日でした。

イノセルの月間売上ギネス記録。
5月入社の2人の新人の初成約。
一度も達成したことがなかったチームが
初達成。
全チームが目標達成。
4ヶ月ゼロだったメンバーが復活の
1成約。

お客様あってこその結果です。
いつも支えていただき本当にありがとう
ございます。

弊社では、成約時にそのストーリーを
シェアする文化があるのですが、
それが本当に素晴らしかった。

お客様に深く入り込んでいて、深く信頼
をされているんだなぁということがわかり、
久々に嬉しさの止まらない月末でした。

メンバーの皆ありがとう!


さて、今日のテーマです。


ある、IT企業が過去に
陥った大量離職事件について
本日は紹介します。

この事件について知ることは、
経営者の方にとっては、
報酬設計のリスクを学べます


営業マネージャーの方は、経営陣営に
食い込む幹部になるには?
という視座を学べます。

営業の方は、経営者の心理を知ることが
できるでしょう。



これは、リアルな話です。



□インセンティブが引き起こした
大量離職事件



その会社は、新規開拓を
1社、実現すると
インセンティブ報酬が入る
仕組みがありました。


サービスを拡大していくフェーズの
重点課題はとにかく取引社数の
増加です。

なので、創業して2年目までは、
事業部長も、営業部長も、
営業マネージャーも営業マンも、


新規開拓


が最大の優先事項でした。


ところが、他社商品の増加や
類似製品の出現により、
外部環境が大きく変わってきました。

マーケティングでリードを獲得
できるのは、どうしてもベンチャーや
中小企業が中心となります。
※これらのマーケットをSMBと呼びます。

競合サービスがふえて、
SMBの市場が荒れまくってきたんです。

ユーザーから比較されることも増えて、
単価の安い中小企業の開拓だけでは
なかなか生産性を高められない事態に
陥っていました。


月額課金での契約なので
解約率も一定でてしまいます。


1000社の取引が増えたあたりから、
解約と新規社数が毎月、同等になり、
なかなかストック収益が増えない状態
になりました。

その状況を打破するために、
経営者は市場を観察し、自社の強みを
考え抜き、何に集中すべきか?を
考えました。

顧客のインタビューをしたり、
外部のコンサル会社や同じマーケット
の経営者などとも情報交換をして、
ついに、考え抜いた末に、
ボトルネックを発見。


それが



"大手企業と取引単価を増やす"



ことでした。


これまでSMB中心に、
新規開拓の社数を増やすことに
フォーカスしていたので、
営業戦略や事業戦略
の大幅な変更が必要です。

マーケティング戦略、
採用戦略、
営業戦略など、
すべてを変えないといけない。


営業マンも、
大手企業の深耕が重要になり、
新規を開拓するよりも、
今お付き合いのある大企業を深く耕す
セールスを推進しなければならない。

社長が


「既存の大手企業を深耕しよう!」


という号令を出し、全社で舵を切りました。
表向きは皆、賛同しています。


ところが、、、


1か月たっても、
3か月たっても、
一向に大手企業の取引単価が増える
様子がない…。



なぜか??
その問題を突き詰めると、、、




□インセンティブが文化を壊していた



インセンティブにより、蝕まれた
風土が浮き彫りになったんです。

まず、なぜ社長号令でも動けない
組織になってしまったのか?


理由1.
新規開拓をしたほうがインセンティブを
稼ぎやすい、という営業のマインドを
変えられなかったから


理由2.
大手営業は中小企業の開拓より、
時間がかかり、なおかつ競合も多いので、
営業が途中であきらめてしまうことが
頻発したから


理由3.
大企業の深耕においてはインセンティブの
設計が難しく、報酬による行動動機を
高められなかった。



この会社で致命的だったことは、




"インセンティブが発生しないなら、
動かない"



そんな文化になってしまっていたこと。
そして、それが事業部長やマネージャー
も同じ発想になってしまっていたのが
何より致命的でした。


本来、
会社というのは、

→社長の思い
→ビジョン
→経営方針・戦略
→実行

というサイクルをいかに早く、
正確に回せるか?
の競争です。

成長し続ける会社はこれが早く
正確です。

しかし、このIT企業は、


経営方針よりも、自分たちが、
稼げる行動を優先するという文化が
作られてしまった。


大手企業の深耕にもインセンティブを
作れば、動きは促進されるかもしれません。


ですが、新規開拓営業と違い、時間のかかる
大手企業の開拓は、多くの人が
インセンティブを得るシステムをなかなか
作れなかった。


結果的に、当時の営業組織では大手深耕の
ミッションは全く進まず、別PJを作り、
新卒を中心として、経営方針を優先的に
行動するメンバーを主導させる体制に
変更したことで、結果的に大きく業績を
伸ばしました。

でも、インセンティブ漬けの社員の80%
は退職してしまったそうです。
しかし、今はその会社は大成長を
遂げています。



私はこの話を聞いて、
報酬設計について、あまりにも
学びが浅かったということを痛感しました。


私が営業マンならどんな報酬がいいか?



という視点だけでこれまで
給与制度を作ってきました。

しかし、
このままの給与制度だと、
社員も成長しないし
組織で生産性が上がり続けるような
シナジーが生まれづらい…。


この話を聞いて、
そんな課題意識を持ちました。


インセンティブというのは、
1営業スタッフやプレイングマネージャー
に思いっきり成果をあげてもらうためには、
全然あった方がいいと思います。

ですが、事業責任者や
経営幹部などに多くの会社で
インセンティブ設計がないのは、



経営方針を迅速に変更し、遂行する



ためなのだと最近わかりました。
事業部長が、インセンティブ欲しさに、
経営方針を無視するような会社は
高い確率で滅んでいきます。


市場のお客様の選択はシビアです。


ニーズは変化するし、これまでよしと
していたことが悪いほうにかわることも
多々あります。

市場の変化に合わせて、経営方針を
作り、実行できる会社が、やはり最強です。


その時に、インセンティブの設計は、
社員の意識を


「報酬・お金」


にフォーカスさせることなので、
長期的に見れば諸刃の剣になりえる
ものだなぁと、、、


ビジョンを実現する経営方針が
推進され、社員が成長する環境
づくりがなされる、報酬制度や評価制度を
作ることは、経営者の重要な仕事ですね。


お金で社員を動かそうとする
会社があまり成長していないのは、
日本人の個性とマッチしていない
のだと思っていましたが、
最近、その意味が分かってきました…。


一方で業界の平均給与を超える給与提示は
してあげたい。

なので、その前提としては、生産性を高める
ことができる環境づくりが重要なんですよね。


個人の生産性を高めることには
限界があります。

組織が融合しながら仕組みを作ることで、
生産性は2倍にも、5倍にもなるものです。


実際前職では、
組織や仕組みの力を使うことで、
1営業の売上高が月間1000万円を
超えることも珍しくなかったんですよね。

経営者になり学びが深くなるほど、
前職の社長への敬意の念が深まりますね。


イノセルもビジョンを推進する社員が
量産されるような人事制度を作りたい。


そう思える新たな学びでした。
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